投資というゲームで聖杯を探すのは無駄ではないのか

よくバイナリーオプションやFXなどの投資の世界で使われる「聖杯」に関しての話。

 

[1]聖杯とは

本来の聖杯の意味はイエスキリストが最後の晩餐で用いたとされる聖なる杯。この杯だと思う。

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それが転じて投資の世界では、必勝法とか勝率100%、もしくは100%に限りなく近い手法といった意味で使われる。
それが無駄と個人的には思っている。

[2]ゲームに置き換える

聖杯について分かりやすくするために個人的に思いついたのがゲームに置き換えること。
投資というマネーゲームをしている人は、ゲームが好きな人が多い為分かりやすいと思っている。
FXの手法をゲームの世界の武器として考える。
武器として考えたとき聖杯という必勝法はこの世界で一番強い武器として、
聖杯=聖剣と置き替える。
所謂アーサーの使ったとされる「エクスカリバー」とする。

この聖剣の攻撃力が100で一番強い武器という訳だ。

[2.1]置き換えるもの

上記で説明した通り、聖杯=聖剣として置き換えたときに他の物もそれぞれ置き換える。その一覧をまとめると以下になる。

敵= 相場
手法=武器
攻撃力=勝率
全滅(ゲームオーバー)=退場

それぞれ置き換えた理由というのを説明する。
FXという世界では相場という敵と戦い勝利することでお金が手に入るといったゲームと考える。
その相場と戦う武器が手法というわけである。
手法によって勝率というのは変わるため勝率は攻撃力と考える。その中で一番強い武器が攻撃力(勝率)100の聖剣(聖杯)という考えである。
相場からの退場=ゲームオーバーといったゲームだ。
投資資金全額失いゲームオーバーしても再度入金すればコンテニュー出来るという良システムのゲームだ。

[3]ゲームシステム

FXの時の用語と、ゲームとしての用語を置き換えたが、このマネーゲームの仕様、ゲームシステムがどういったものか考えていく。

[3.1]武器の強化

まず武器の強化が出来るゲームということ。
武器の合成や分解を行うように、手法を他の手法やインジーケーターと組み合わせることや、手法からインジケーターをなくすなどすることによって武器の強化が可能。
手法を磨きをかけることによって勝率を上げるということができる。
そういった強化システムがあるゲームということ。

[3.2]逃走出来る

逃走のシステムはゲームによって違う。
確率で逃げれるか逃げれないか決まるゲームや、ボス戦だけは逃げれないないが通常は逃げれるなどある。

FXというゲームにおいては逃げたいと思ったときはすぐに逃げれるということ。
損失になっていても損切りすればいつでも逃げ出せる。
何より戦いたくない敵との戦いは拒否することが出来るのである。

[3.3]属性システム

属性のシステムで有利な属性の場合は与えるダメージが上がったり、逆に不利な属性ではダメージが下がったり、または無効だったりということがよくあるとと思う。
例えば炎属性の武器で炎属性の敵には攻撃があまり通らないと言ったようなものである。
そういった属性のシステムがこの投資というゲームにもあり、相場によって手法が有利になることや不利になることがある

[3.4]勝利条件

RPGだとボスを倒したらエンディングという風になると思うが、投資の世界ではボスと呼ばれるものがいない。
目指すゴールは人によって違うと思うが、投資、FXを始める人というのはお金持ちになりたいとか、FXで生計立てれるようになりたいといったのを目標に頑張っている人が多いのではと思う。
となるとゴールというのは安定して稼げるようになる大金を稼ぐということになるのではないだろうか。

となるとゲームオーバーにならずに多くの敵を倒すことや、敵を倒し続けるというのが勝利条件となると思う。

ファンタジーの世界でギルドに所属してモンスターを倒して生計を立てている冒険者になるということが目的である。

[4]攻略方法

ゲームのシステムを落とし込んだ上でこのゲームの攻略方法を考えてみたい。

[4.1]ゲームオーバー回避

まず大前提として必要なのがゲームオーバーを回避するということ。
ゲームオーバーになっても現金でコンテニュー出来るが、お金は減る一方でゲームクリアには遠のくことであるから出来だけ避けたいこと。

全滅しそうになったらすぐに逃げる
全滅しそうでなくてもある程度傷を負ったら逃げる(損切する)。
無謀な敵には戦いを挑まない
そういったことを徹底し全滅を避けることが第一にすべきこと。
死んだら終わりの現実の世界でいきなりドラゴンと戦おうとは思わないだろう。そういうこと。

[4.2]武器強化が大事


強い武器を探すよりも武器強化が大事。これが一番言いたいこと。
私たちが戦おうとしている相場という敵は通常のモンスターである。
エクスカリバーでしか倒せない魔王なんかではない。
『炎の剣』『アイスソード』『ミスリルソード』なんかで倒せる敵である。
なら存在するかも不明なエクスカリバーを探す意味があるのか?

炎の剣の攻撃力の初期値は50だとする。
それでも他の手法と組み合わせたり戦う敵を炎が弱点の敵に絞ることで攻撃力を上げることが出来る。
逆に炎という属性が効きにくい敵との戦いは避けるということもできる。
また使い続けることでその武器の特徴とか、使い方もより理解し熟練度が上がる。
その結果攻撃力は100にならなくても60、70、80と強くなると思う。

[5]エクスカリバーは必要か?


魔王倒すわけではないのにエクスカリバーは必要か?
普通の敵を倒し続けるのだから普通の武器ではダメなのか?
今までのゲームに例えた話を読んで本当に聖剣(聖杯)は必要かと再度考えて欲しい。

更に付け加えるとしたら勝率というのはたいして重要ではないということ。
以前最も有名(であろう)ゴールデンクロスデッドクロスを使った手法を検証した。
2018年の1年間、USD/JPYの1時間足で5SMAと25SMAのみを使っての取引。
ゴールデンクロスでロングをし次にデッドクロスした時に利確(損切)をする。利確損切と同時に次のショートのポジションを取る。
本当に単純なルールである。
結果がどうなったか。

勝41% +4,393.3pips
負59% -3,498.7pips
つまり負けの方が多いが+894.6pipsの利益が出ている。
100万通貨の取引なら約9万円。1000万通貨の取引なら約90万円の利益が出ている。

クロスして次クロスするまでポジション保有の取引のため含み益が一度100pips超えたが半分以下の利益で確定になったり、含み益が損失になって確定したりなどあった。
またクロスが頻発するレンジ相場だと損失が膨らんでしまうなどがあるのでそういった場面を避けようと思えば避けることが出来る。
改善をしようと思えば改善することが出きる。

これを見ても勝率100%の聖杯が必要と感じるのか?
今一度問いたい。